昔話は、どんな出だしだったかな?
ラジオ昔話で朗読している「むかしばなし」の最初の部分を、少しご紹介しますね。面白そう!と思ったら、ぜひ聴いてみてください。この他にも、毎週週替わりで有名なお話をお届けしています。
さあ、あなたを、懐かしい昔話の世界へご招待します。
(ラジオ昔話のお話は、100%オリジナルで書き直したものを朗読しています。)
「さるかに合戦」(昔話)
むかしむかし、あるところに、お母さん蟹がおりました。ある日、お母さん蟹が散歩をしていると、おいしそうなおむすびが1つ落ちているではありませんか。お母さん蟹はとてもお腹が空いていたので、大喜びでそのおむすびを食べようとしました。すると、そこへ猿がやってきて言いました。「カニさんカニさん、そのおむすびをぼくにくれないかい?その代わり、もっといいものをあげるよ。」そう言って、さるは1粒の柿の種を取り出しました。「こんなもの、食べられないわ。」と、お母さん蟹が言うと、猿は言いました。
「かちかち山」(昔話)
むかしむかし、あるところに、とても仲のよいおじいさんとおばあさんが住んでおりました。おじいさんとおばあさんは、山のウサギとも仲良しで、遊びに来るといつもご飯を食べさせてやっていました。子供のいないおじいさんとおばあさんは、このうさぎが来るのをいつも楽しみにしていたのです。うさぎも、山から木の実やきのこを取っては、大好きなおじいさんとおばあさんへ、おみやげに持っていきました。・・・・・
「おむすびころりん」(昔話)
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんの仕事は、山で木を切ることです。ある日のこと、おじいさんはいつものように、おばあさんにたくさんのおむすびを作ってもらって、山へ仕事にでかけました。川を渡り、いつもの山道を登っていくと、そこはもう、木の生い茂る山の中です。おじいさんは早速、仕事をはじめることにしました。大きなおのを、木に打ちおろします。・・・
「かぐや姫」(昔話)
むかーしむかし、あるところに竹取のおじいさんとおばあんさんがおりました。おじ いさんは、毎日山に入っては竹を切り、家に持ってかえっていろんな竹細工を作っておりました。そして、それを町へ売りに行って暮らしておりました。ある日のこと、 おじいさんがいつものように山へ行き、竹を切っていると、向こうの方になにやら明るく光るものが見えます。「はて、なんじゃろう?」と思い、近寄ってみると、一本の竹がきらきらと金色に輝いているではありませんか。・・・・・・・・
「かさ地蔵」(昔話)
むかーしむかし、ある村に、とても貧乏なおじいさんとおばあさんがおりました。明日は正月だというのに、餅をつく米さえありません。おじいさんは言いました。「なあ、ばあさんやー。明日はめでたい正月だというのに、うちには食べるものがなーんもねえ。どうすべかなあ。」「そうさなあ。ほんに、困ったことじゃー・・・。そうそう、じいさんがせっせと貯めておる、わら、を町へ売りに行ってはどうかいなあ。」・・・
「しょじょ寺のたぬきばやし」(昔話)
むかしむかし、ある山おくに、「しょじょ寺」という小さなお寺がありました。お寺のある山には、たぬきがたくさん住んでいて、夜になると、化けて出たり、はらづつみを打ったり、あばれたりと、いたずらばかりしていました。おかげで、このお寺にはおしょうさんがいつかず、お寺は荒れほうだいです。そんなある日、一人のえらいおしょうさんがやってきました。このお寺の荒れように、おしょうさんはあきれ顔です。
「たにし長者」(昔話)
むかしむかし、ある村に、とても貧しいお百姓の夫婦がおりました。この夫婦には子供がいません。なんとか子供が欲しいものだと思い、毎日水神様(すいじんさま)にお願いしておりました。水神様は水の神様で、百姓にとってとても大切な神様です。夫婦は今日も水神様にお願いしました。「どうか、たにしのような子でもいいから、わしらにさずけてくだされや。」
それからしばらくたったある日のこと、急に女房のお腹が痛くなったかと思うと、なんと、本当にたにしの子供が生まれたのです。
「きき耳ずきん」(昔話)
むかーしむかし、ある村にひとりのおじいさんがおりました。おじいさんは、毎日山でしばをかり、遠くの町まで売りに行って暮らしておりました。今日も、いつものように山へ入ります。そして、せっせと働いて、たくさんのしばをかりました。やがて夕方になり、おじいさんはそのしばを背中に背負い、家に帰ることにしました。さて、しばらく山道を歩いていると、どこからか「くえーん、くえーん」と悲しそうな鳴き声が聞こえてきます。「はて、なんじゃろう。なにやら鳴き声が聞こえたようじゃが。」
「だんだらぼっち」(昔話)
むかしむかし、志摩半島の波切(なぎり)という村の近くに、大王島(だいおうじま)という島がありました。これは、その島に住んでおった「だんだらぼっち」という一つ目の大男のお話です。さてさて、このだんだらぼっち、どのくらい大きいかというと、山のてっぺんにある木の実を、手をのばして取るほどです。しかも、村の人が十人かかってもかなわぬほど、力がものすごく強いのです。大きな岩なんか、ひょいっと持ち上げ、ほうり投げてしまいます。だから、だんだらぼっちが来るときは、波切の村は、それはもう大騒ぎ。まるで台風が来たかのようです。
「竹取物語」(昔話)
むかーしむかし、あるところに竹取のおじいさんとおばあんさんがおりました。おじ いさんは、毎日山に入っては竹を切り、家に持ってかえっていろんな竹細工を作っておりました。そして、それを町へ売りに行って暮らしておりました。ある日のこと、 おじいさんがいつものように山へ行き、竹を切っていると、向こうの方になにやら明るく光るものが見えます。「はて、なんじゃろう?」と思い、近寄ってみると、一本の竹がきらきらと金色に輝いているではありませんか。不思議に思ったおじいさんは、この竹を切ってみることにしました。